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『毎日新聞』2005年11月28日付 大学設置審議会:旭インターネット大学院大学は不可に 全国で初めてインターネットだけを使った通信制大学院の私立「旭インター ネット大学院大学」(長野市)は、「教員組織や学生に対する支援体制が不足 し、安定的な教育を提供できない」との理由で認可されなかった。申請者の中 村八束・信州大工学部教授は「論文や資料もネットで入手できる時代なのに。 少し(申請が)早すぎたかな」と悔しがった。 同大学院は、修士課程と博士課程の「数理情報学専攻」で、定員計70人。 ネットの活用で学習者の地理的・時間的制約を軽減し「ITに長じた応用力あ る人材育成」を目指していた。「校舎の自己所有」の規制を緩和する長野市の 「インターネットアカデミック特区」を活用し、大学設置基準で必要とされる 学長室は理事長宅2階にするなどしたが、対面指導の必要性などを指摘された。 中村教授は、ポーランドの数学者らとの約14年の共同研究で、1887年 に確立された「平面上の閉じた曲線は、平面を曲線の内と外に分ける」という 「ジョルダンの曲線定理」を数学的に完全証明したことなどで知られる。「こ のままでは海外の教育機関に学習者が流れたり、学ぶ意欲がある社会人のニー ズに応えられないのでは」と危機感を示した。【森有正】 |