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新首都圏ネットワーク


『静岡新聞』2005年11月28日付

西伊豆地域の教育支援 静岡大教育学部 


 静岡大教育学部(金井省二学部長)は来年度から、西伊豆地域の教育支援に
乗り出す。若者の都市部流出が進み、若い教員が不足している同地域のため、
松崎町の県立松崎高などと相互交流を進め、「地元に生まれ地元で教員となる」
若者の育成を図る。

 過疎地の医師や教員を育てるため、国立の医科大学や教育大学が特定の地域
と連携する取り組みは、国立大の法人化を契機に全国的に広がっているが、県
内では初めて。

 地元側と同学部は30日、連携交流の調印を交わす。

 教育実習生の派遣、学部教官による出張授業、課外活動を通じた学生と生徒
の交流―などを実施する予定。交流を通じて地域の教育力を向上させると同時に、
松崎高から同学部に進学する生徒を増やし、最終的に地元の小中学、高校に就
職させることを目標とする。

 西伊豆では若者の就職先が少なく、例年、松崎高の卒業生の90―95%が都
市部へ進学、就職する。そのため昨年、松崎、西伊豆両町と県立松崎高が「西
豆地域教育研究協議会」を設立し、就職先の掘り起こしや専門教育機関との連
携を模索してきた。

 同協議会の会長、指出巌松崎町教育長は「教員や介護、福祉職など、必要に
応じて若者を育てる力が地方にはない。大学の力を借りて地元の若者を育てた
い」と話す。

 一方、同学部の矢野淳助教授は「地域の人材育成に協力したい」と、地域貢
献として前向きに取り組む姿勢を示した。