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『東京新聞』2005年11月23日付 国立大工事でも談合 重電メーカー 成田事件で認める供述 成田空港の電機設備工事をめぐる談合事件で、複数の重電メーカーの営業担 当者が東京地検特捜部の事情聴取に対し、国立大学の電機設備工事でも談合し ていたことを認める供述をしていたことが二十二日、分かった。成田空港と防 衛施設庁が発注する工事に続いて談合の疑いが明らかになったことで、複数の 官公庁工事で談合が常態化していた可能性が強まった。大学の大規模な受変電 設備工事の平均落札率は98・5%と極めて高率だった。 受変電設備は、電力会社から送られる高圧電力を大学施設などで使用可能に する設備。文部科学省によると、昨年までの四年間では、十二国立大学と一研 究機関が一件ずつ、大規模工事の入札を実施した。 これらの入札には、成田空港の工事で談合したとして特捜部の捜索を受けた 三菱電機(東京都千代田区)▽東芝(港区)▽富士電機システムズ(品川区) ▽明電舎(中央区)▽日新電機(京都市)など七社が参加。 落札総額が最も多かったのは東芝の計二件二十一億千八百万円。二〇〇二年 に受注した「高エネルギー加速器研究機構」の受変電工事は、全体で最も高額 の十四億九千万円だった。 落札率は〇四年の山口大の93・1%を除いてすべて97%を超えた。三菱 電機が〇二年に受注した鳥取大の工事は、予定価格と落札価格が同一(落札率 100%)だった。 複数の重電各社の担当者は、成田空港、防衛施設庁、国立大学の三ルートで、 談合したことを認めているとされる。特捜部は各社が複数の官公庁工事で広範 に談合を繰り返したとみている。 文科省は「特殊な受変電設備のメーカーは限られており、メーカーの見積も りに基づいて予定価格を算出している。予定価格と落札価格が小差になるのは 致し方ない面もある」と話している。 |