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新首都圏ネットワーク


時間外勤務と教職調整額(附属教員)について

山室 様 he-forum 各位       11/22/05

昨日、奈良教育大附属の山室様より、「給特法の適用除外となった今も「教職調整額が時
間外勤務手当に当たる」との主張にどのように反論すべきでしょうか。教えていただけれ
ばありがたいです。」とのメールが配信されました。

このご質問に対する答は簡単です。

民間企業に於いても現実の時間外労働の有無、長短にかかわらず一定額の割増賃金を支払
うといういわゆる「固定残業制度」というものがあります。

この場合、固定された残業手当(名称は問わない)に相当する労働時間を超える時間外労
働を行ったばあいは、当然の権利としてその差額を請求できることが、判例においても確
立しており(関西ソニー販売事件 大阪地裁 s63.10.26、三好屋商店事件事件 東京地
裁 s63.5.27)、労基署としてもそのような指導がなされています。これは、労基法関係
の原則のイロハです。

附属学校教員の場合、当然ながら、裁量労働制などの見なし労働の適用にはなりませんか
ら、使用者は、労働時間の適切な管理が義務づけられており、法定時間外労働に対しては
、125%以上の割増賃金を支払う義務があります。仮に、教職調整額に時間外手当が含
まれるとしても、その手当に相当する時間以上の法定時間外労働がなされているなら、そ
の差額は請求できます。

私どもの附属教諭にもそのことは申し上げておりますが、どなたも具体的な労働時間を申
告してくれませんので、まだ手を打ってませんが、ご不満のある方は、毎日の出退勤の時
刻を記録し、一月の時間外労働の時間を把握して、翌月の給与明細を見て、不足していれ
ば、大学側に、差額請求をすればいいと思います。

もし、差額の支払いを大学側が拒否した場合は、労働基準監督署に、記録と給与明細を持
って、適切に時間外割増賃金を支払うよう訴えればいいと思います。あるいは、組合とし
て、労基法違反で告発することも可能です。労基署としては具体的証拠を持って訴えられ
れば無視は出来ません。大学側に、差額を支払うよう指導することでしょう。

      山形大学職員組合書記長 品川敦紀