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新首都圏ネットワーク

『朝日新聞』2005年11月19日付

国立大工事でも受注調整 電機メーカー担当者認める


 旧「新東京国際空港公団」(04年に民営化、現成田国際空港会社)や防衛
施設庁が発注した電機設備工事で受注調整があったとされる事件で、複数の電
機メーカーの担当者が東京地検特捜部の事情聴取に対し、国立大学の工事でも
談合をしていたことを認める供述をしていることが関係者の話でわかった。

 少数の有力な電機メーカーが同じ顔ぶれで、異なる官公庁発注の工事につい
て広範に受注調整を繰り返していた構図が浮かんだ。特捜部は各官公庁とメー
カー側との仲介役の有無なども含めて、全容解明を進める。

 関係者によると、特捜部は国立大学関連の工事についても、電機メーカーの
担当者から事情聴取。これに対し、複数の大手電機メーカーの担当者が、大学
の電機設備の工事でも受注調整をしたことを認めた。ただし、こうした工事は
発注時期が比較的古く、談合関連の罪に問うには、すでに時効が過ぎているも
のもあるとされる。

 談合の疑いが持たれている新東京国際空港公団発注の大規模な電機設備工事
は東芝(東京都港区)、三菱電機(同千代田区)、富士電機システムズ(同品
川区)、明電舎(同中央区)、日新電機(京都市右京区)、日立製作所(東京
都千代田区)の6社が独占的に受注していた。これまでの特捜部の事情聴取に
対し、電機メーカー側、旧公団側双方の担当者が受注調整をしていたことを認
めている。特捜部は03年11月に実施された、成田空港の「南部貨物上屋の
第2期受変電設備工事」の発注に関する競売入札妨害の疑いで、17、18日
に成田国際空港会社と日立製作所をのぞく電機メーカー5社を家宅捜索した。

 また、防衛施設庁発注の工事についても、電機メーカーで同庁発注工事を担
当している社員の自宅を捜索。さらに、防衛庁にかかわりがあった政治家の元
秘書が関与するとされる建設会社も捜索している。