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『読売新聞』中部版 2005年11月18日付

岐阜大医学部 基礎研究に奨学制 最高1000万円 修了生に助手ポストも


 岐阜市柳戸の岐阜大学医学部医学科は、基礎研究に取り組む学生を対象に、
最高1000万円の独自の奨学制度を創設し、17日から受け付けを始めた。
奨学金を受け、大学院を修了した学生には、医学部助手のポストも用意する。
同大によると、基礎研究だけに限った奨学制度は全国で初めてという。

 医学生の進路は、医師として患者を診察、治療する臨床と、大学に残って研
究者となる基礎研究に大きく分けられるが、臨床に進む医学生が圧倒的に多い。
同大でも1学年約80人の医学生のうち、基礎研究に取り組むのは1、2人に
とどまっているのが現状だ。

 今回の奨学制度は、がんや糖尿病に代表される現代病、将来起こりうる伝染
病の予防薬開発などに取り組む医学研究者を養成するのが狙い。医学科の3年
生以上が対象で、選考を経て決定する。

 授業料や海外留学費などを合わせると、給付額は最高1000万円になるが、
大学院修了後、基礎研究者として3年以上研究を続ければ、返済が免除される。

 同大医学部長の近藤直実教授は「未来の医学を支える優秀な研究者の育成に
つなげたい」と話している。