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『読売新聞』2005年11月14日付 国家公務員5年間で5%以上純減、基本指針を決定 経済財政諮問会議(議長・小泉首相)は14日、国家公務員の定員(日本郵 政公社を除く約68万7000人)を2006年度から5年間で5%以上純減 させることを柱とした「公務員総人件費改革」の基本指針を決定した。 国家公務員の総人件費については、「対国内総生産(GDP)比で今後10 年間でおおむね半減させるといったような長期的な目安も念頭に置く」とした。 民間議員が求めていた数値目標よりも拘束力が弱い目安と位置付けたものだ。 定員削減のための重点項目としては、<1>農林統計や食糧管理、北海道開 発関係の部署の大胆な整理<2>各省庁の地方支局などの統合や合理化――な どを挙げた。政府は来年6月までに整理対象の部署などをまとめる。 基本指針では給与について、民間の給与水準に近づけるとともに、能力主義 を導入した給与体系へ移行するとした。来年の人事院勧告に反映させる。労働 基本権や人事院制度など公務員制度全体のあり方については、「幅広い観点か ら検討を行う」と盛り込んだ。地方公務員については、今後5年間で4・6% 以上の純減目標を上積みするとした。 政府は今後、目標達成のため年内に実行計画を作成するが、官僚の反発は必 至で、曲折も予想される。 首相は14日夜、「(具体的な削減内容は)これから各省に考えてもらう。 目標を決めることが大事。(目標を)決めなければ、(官僚は)なにも削減し ない」と首相官邸で記者団に語った。首相は民間の活力を生かすため、政府の 規模を小さくすると主張しており、今回の「官」のリストラは、その象徴と言 える。 これまで政府は、新規採用の抑制など減員を進める一方、情報技術(IT) など新たな政策分野の増員を認めてきたため、リストラ効果が上がっていない という反省がある。 実際、減員分から新規採用などの増員分を差し引いた今年度の純減は、0・ 2%減にとどまっており、指針の「5年間で5%」の純減はかなり高いハード ルだ。 |