トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

『南日本新聞』2005年11月12日付

鹿大に教職専門大学院を開設/07年度目標
指導力向上など狙い


 鹿児島大学教育学部(鹿児島市)は2007年度、教員養成を目的とする専
門職大学院(教職大学院)を開設する方針を固めた。中教審が10月に文部科
学大臣に提出した「信頼される教師の養成・確保」などを求める答申に基づく
もの。同大の専門職大学院としては法科大学院に次いで2つ目。既存の大学院
教育学研究科は存続させる。

 教職大学院の開設は、即戦力となる新人教員の養成と、現職教員の指導力向
上が目的。修業年限は原則2年とし、教職課程を受けなかった他学部の学生や
現役教員のためのコースも設けられる。教育実習は学部学生の倍に当たる10
単位以上を課す。大学院教員は11人以上で、うち4割を実務家教員で構成す
る。

 同学部は05年度から、中教審の審議状況を踏まえながら協議を続けてきた。
文科省から既存大学院の廃止も含めた選択肢が示されたが、「学校現場では専
門知識を高める既存大学院の必要性を求める声も多い」として併置することに
した。今後はカリキュラム編成や実務家教員の選定を進め、文科省に設置許可
を申請する。

 教職大学院は全国の大学で準備が進められているが、中教審は優れた実績と
構想を持つ大学での設置を優先するとの考えを示している。中山右尚学部長は
「準備期間が短いうえに設置許可のハードルも高いが、新しい教育学部の創造
に教職大学院は不可欠。学部全体で取り組んでいきたい」と話している。