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新首都圏ネットワーク

『北國新聞』2005年11月9日付

金大とコマツ、連携推進。共同研究や技術教育で。競争力向上へ協定


 金大とコマツは九日、産学連携の推進に関する協定を締結し、共同研究や技
術教育、人 事交流などで総合的に協力関係を築くことを確認した。金大が民間
企業と包括的な協定を 結ぶのは初めて。金大の基礎研究や工学教育、コマツの
技術力や商品化能力を互いに発揮 することで、技術革新と人材育成を図り、そ
れぞれ競争力の向上を目指す。

 協定は工学、理学、薬学系がある金大大学院自然科学研究科とコマツとの間
で取り交わ され、三年後に自動延長される。研究では環境対応技術や計測技術
などを重点課題として 共同研究に取り組み、教育では大学院生のインターンシッ
プ(就業体験)やコマツからの 講師派遣などを進める。

 金大角間キャンパスで行われた調印式では林勇二郎学長ら双方の関係者が見
守る中、金 大の大村明雄理事とコマツの鈴木康夫常務が協定書にサインをした。
大村理事は「共同研 究や技術教育などを通して産学連携の成果を上げていきた
い」と述べ、鈴木常務は「共同 研究で断トツの技術力を付け、世界ナンバーワ
ンを目指す」と話した。

 コマツはすでに同社の拠点がある関東で横浜国立大、関西で阪大と協定を結
び、阪大で は社員が教授に就いている。石川県内は「建設機械や産業機械で世
界トップの産業集積地 」(鈴木常務)としており、伝統的に機械系に強い金大
工学部との連携により、他の追随 を許さない技術を開発することを狙っている。

 一方、法人化した金大は産学連携を進めることで民間の資金や人材を研究、
教育に生か す取り組みを推進している。民間企業が社内の基礎研究部門を大学
などに委託する方針と なり、就職にも即戦力を求める傾向が強まっており、コ
マツとの連携で新しい大学の姿を 探ることになるとみられる。