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『日本経済新聞』2005年11月9日付 博物館などの「市場化テスト」に学者・文化人が反対要望書 官民の競争入札を通じて官業の民間開放と効率化を促す「市場化テスト」の 国立博物館・美術館への導入を巡り、平山郁夫東京芸術大学長と美術評論家の 高階秀爾氏が9日、小坂憲次文部科学相と河合隼雄文化庁長官を訪ね、導入に反 対する声明を手渡した。 平山氏は「経済効率だけを追求すれば、文化芸術の衰退につながる」との危 惧を表明。小坂文科相は「財政再建は必要だが、合理化には弊害が出ないよう 取り組む」、河合長官は「文化が衰退しないよう真剣に努力したい」などと応 じた。 声明は市場化テストについて「展示が流行追求型になる」「調査研究などの 長期的取り組みが軽視される」などと指摘。政府内で検討されている国立博物 館、国立美術館などの統合にも「文化施設の多様性が失われる」と反対してい る。 政府の規制改革・民間開放推進会議は独立行政法人の事業効率化の一環とし て、国立博物館などへの来年度からの市場化テスト導入を提言。テストが実施さ れれば、美術品の収集や展覧会の企画などが民間に委託される可能性がある。 |