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新首都圏ネットワーク

『朝日新聞』2005年11月8日付

国立大学の入学料、来年度値上げを検討


 国立大学の入学料の目安となる「標準額」について、来年度から値上げの検
討が進められていることが7日、わかった。長崎市で開かれた国立大学協会
(国大協、会長=相澤益男・東工大学長)の総会で、文部科学省の担当者が
「非公式に財務省から値上げを求められている」と明らかにした。

 国立大は昨年法人化され、入学料は各大学が標準額の10%を上限に自由に
設定できる。だが、各大学が国から受け取る運営費交付金は、入学料の標準額
に基づいて算定されるので、大学が独自の判断で値上げしなければその分自主
財源が少なくなる。

 国立大の現行入学料の標準額は28万2000円。入学料はほぼ隔年で値上
げされてきたが、02年度のあと04年度の値上げは見送られた。

 一方、少子化対策で私立大の入学料は年々値下げされ、04年度に初めて国
立大が私立の平均を上回る「公私逆転」が起きた。04年度は、国立大の方が
約2200円高い。

 標準額が値上げされると、国立大側の反発は必至で、年末の予算編成に向け
て調整が続きそうだ。