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新首都圏ネットワーク

『日本海新聞』2005年11月2日付

鳥取県が試験機関の07年度法人化検討


 鳥取県は、県内企業の自立を図るため、鳥取市若葉台南七丁目の産業技術セ
ンターなど県立試験機関の二〇〇七年度ごろの独立行政法人化を目指している。
また、優れた技術開発などに重点融資する独自の産業支援策の見直しも進めて
いる。試験機関の法人化について片山善博知事は一日の定例記者会見で、市場
が求める研究と県試験機関の研究に隔たりがあることに、「自動的に市場の声
が行政を変えるような工夫が必要。国立大学の独立行政法人化を参考に試験研
究機関の独立行政法人化が検討課題として浮上してくる」と述べた。

 試験機関の法人化は、行政のスリム化のほか、民間ニーズに合わせた研究開
発の促進などが狙い。法人化により企業からの研究委託や寄付による研究資金
の確保が容易になり、成功報酬など自由な給与制度によって職員の研究意欲の
向上などが期待される。岩手県や東京都が来年度から導入を予定している。

 県は、産業技術センターの法人化を検討しているが、総務省の認可や県議会
の承認などが必要になることから、法人化は早くても二〇〇七年度以降になる
見通し。

 県は今後、同センター以外の試験機関についても法人化を検討するが、法人
化により現在は無料の技術指導などが有料となるため、利用者の理解が得られ
るかなどの課題もある。

 一方、融資制度の見直しは、現在、一律の貸出利率に格差をつけて、技術開
発などソフト力を高める事業などには低利で優先的に融資する。新しい融資制
度を活用して地元企業の技術開発などを支援する体制を強化する。