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新首都圏ネットワーク

『朝日新聞』2005年11月2日付

京大、時間外未払い3253万円 匿名投書で発覚


 京都大(京都市左京区)は1日、正職員の2割にあたる481人に対し、6〜
8月に計3253万円の時間外賃金の未払いがあり、京都上労働基準監督署
(同市中京区)の是正勧告を受けたと発表した。京大職員を名乗る匿名の投書
が同署に届き、発覚したという。京大は「11月中には支払いたい」としてい
る。

 京大によると、時間外勤務については、管理職が開始と終業の時間を決め、
帳簿に記入する方式をとっていた。超過勤務をしていたケースも多かったが、
そのほとんどが管理職に申告されず、帳簿には反映していなかったという。

 大学側の説明では、今年初め、サービス残業があることを指摘する内容の投
書が京都上労基署に届き、同署が2月に京大に実態把握と労働管理の徹底を指
導。8月にも同様の投書があり、同署が一部の職員に聞き取り調査をした結果、
未払い賃金があることが判明したという。

 同署は京大に対し、3カ月分の勤務実態を調べるよう求め、10月31日、
未払いの賃金を支払うよう是正勧告をした。

 京大は2月の指導を受けて、終業時刻の確認をするように説明会を開き、学
長名で文書で通知していたが、徹底されていなかった。国立大学法人になる以
前から常態化していた可能性もあるという。