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新首都圏ネットワーク

FujiSankei Business i. 2005年10月26日付

05年度新設、大学ベンチャー鈍化 私大激減で前年割れ


 筑波大学の産学リエゾン共同研究センターの菊本虔教授らが二十五日に発表
した「二〇〇五年度大学等発ベンチャー調査」によると、大学発ベンチャーの
新設が、鈍化し始めたことが分かった。

 今年八月末時点での大学発ベンチャーは千百四十一社に上り、昨年の八月末
時点よりも二百二十五社(24・6%)増、昨年末時点よりも百六社増となっ
た。

 しかし、新設数は、暦年ベースで〇二年が百六十四社、〇三年が百九十四社
なのに対し、〇四年が微増の百九十五社。〇五年は八カ月で百六社と初の前年
割れとなる見通しだ。

 大学を国公立と私立に分けると、〇一年には国立を上回る新設数があった私
立で新設数が激減。最近では私立大学からの新設数は国立大学からの約三分の
一にまで低迷している。

 累積のベンチャー設立数による大学別ランキングでは、一位から順に、早稲
田大(七十五社)、大阪大(五十社)、慶応大(四十六社)、京都大(四十四
社)、筑波大(四十二社)、東京大(四十一社)、神戸大(三十四社)、日本
大(三十三社)、東北大(三十一社)、九州大(三十社)となった。

 また、政府系研究施設のなかで群を抜いてベンチャー設立の実績を上げてい
る産業技術総合研究所が、過去一年で二十社を設立し累積で七十社に達してい
る。

 設立ベンチャーを業種別でみると情報通信分野が多く、全体の約四分の一を
占めている。しかし、最近四年ほどは情報通信の比率が若干低下し、バイオ・
ライフサイエンスが比重を増してきている。

 この「大学等発ベンチャー調査」は二〇〇〇年度から継続して毎年度実施し
ているもので主に所在調査を目的としている。

 これをもとに個々のベンチャーを対象とした詳細な第二次調査の結果は三月
ごろに発表する。