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『朝日新聞』福岡・北九州版 2005年10月17日付 [変わる大学―九大は今] 九大、上海・北京に事務所 産学連携図る 九州大学は年内にも、中国の上海と北京に事務所を開く方針を決めた。日本 の大学が中国に複数拠点を持つのは異例。日中間の産学連携や、優秀な中国人 留学生の獲得を目指す。 上海事務所は、現地で会社を経営する九大OBで元商社マンの日本人を所長 に迎える予定。九大や日本企業の技術を中国に移転したり、中国進出を検討す る日本企業に情報を提供したりする計画だ。 上海では九大と九州電力が8月から、オフィスビルなどの省エネ実証事業を 進めている。新事務所を使ってこうした取り組みを増やし、日本企業の商機を 開拓する。九大は理工系の名門校、上海交通大学と提携しており、事務所を大 学間交流の窓口としても活用する。 北京事務所は九大のPRに加えて、中国の中央政府などとのパイプづくりも 目的。九大は昨年、留学経験者による同窓会組織を現地でつくった。人脈を生 かしながら、九州の自治体や企業を側面支援する。 日本の大学では、東京大や一橋大などが中国に事務所を設立した。九州では 西日本工業大学(苅田町)が3月、中国江蘇省蘇州市に学生募集窓口となる事 務所を開いた。 |