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新首都圏ネットワーク

nikkeibp.jp 2005年10月17日付

阪大、企業が学内で共同研究する「インダストリー・オン・キャンパス」


 大阪大学は、企業が共同研究を大学キャンパス内で実施できる共同研究講座
制度などを中核とするインダストリー・オン・キャンパスを実施する。企業の
研究開発者が阪大の専任教員として大学内に研究開発室を構え、研究資金と研
究人材を投入し、大学・大学院施設を用いて基盤研究する。同制度は阪大が
2005年7月に文部科学省のスーパー産学官連携本部事業の対象校6校の内の1校に
選ばれたのを契機に2005年10月から導入する。

 企業が産学連携の大型共同研究への投資意欲を高める仕組みとして、阪大は
共同研究講座・共同研究部門を学内に設けるインダストリー・オン・キャンパ
スを設ける。阪大としては、企業が共同研究費を1年間当たり5000万円〜1億円
程度を投資し、2〜10年間にわたる共同研究を実施する仕組みに仕上げる。大学・
大学院施設を利用し、阪大教員との連携から産まれる共同研究成果については、
阪大が定めた知的財産ポリシーに基づいて、知的財産の帰属(所有)を取り決
める構え。

 阪大は、インダストリー・オン・キャンパスを成功させる仕掛けとして、共
同研究を企画し運営するなどの研究開発マネジメントを担当できるスーパーコー
ディネーターを育成する。スーパーコーディネーターは大学と学外の組織との
連携を図り、具体的なプロジェクト・フォーメーションをつくる役目を担う。

 阪大は、優秀なスーパーコーディネーターを育成する拠点を学内に設け、5年
後の平成21年度(2009年度)までに15人のスーパーコーディネーターを育成す
る計画である。スーパー産学官連携本部の対象校として、スーパーコーディネー
ターを育成し地域振興を図る。

 スーパーコーディネーターの候補者は、NPO(非営利組織)のおおさか大学起
業支援機構や阪大イノベーションファンドなどの担当者、阪大と連携する
TLO(技術移転機関)のアドバイザーや科学技術振興機構のコーディネーター
、 知的クラスター・産業クラスターの担当者などを想定している。

 阪大は、インダストリー・オン・キャンパスの実施などによって、研究費
1000万円以上の大型共同研究の件数と研究費総額を、平成17年度(2005年度)
の実績に対して平成21年度までにそれぞれ倍増させる方針である。(丸山 正
明=産学連携事務局編集委員)