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『しんぶん赤旗』2005年10月16日付 科学技術基本計画 現場の声反映して 研究者、大学教員らがシンポ 国が策定作業を進めている第三期科学技術基本計画に、研究現場の声を反映 させたいとして、科学技術産業労働組合協議会(科労協)など六団体が十五日、 東京都内でシンポジウムを開きました。大学や研究機関の研究者ら約九十人が 全国から参加しました。 策定の基本方針として掲げられている「人材の育成」をテーマに活発に議論。 若手研究者の任期制が進んでいるなかで、「三年任期の場合、二年で研究成果 を出さなければならない。できる仕事しか与えられず、能力のある若い人の道 を閉ざしているのではないか」などの声が出されました。 私立大学教員が、成果を出すことに追い立てられて多忙になり、学生を十分 指導できない実態を紹介。また、「国立大学が独立行政法人化のなかで、科学 技術を担う人材を育成する大学としない大学に仕分けされている」など、研究 者育成のすそ野がせばめられている問題が提起されました。 理工系の四十七学協会でつくる男女共同参画学協会連絡会前委員長の相馬芳 枝さん(産業技術総合研究所顧問)が、女性研究者の現状について講演。運動 の中で文部科学省が産後復帰支援制度の導入を進めるなど、一定の前進がみら れることを報告しました。 主催団体は、科労協のほか、全国大学高専教職員組合、筑波研究学園都市研 究機関労働組合協議会、日本科学者会議、日本国家公務員労働組合連合会。日 本私立大学教職員組合連合が協賛しています。 ▼科学技術基本計画 科学技術基本法にもとづき、五年に一度策定される国 の科学技術政策の基本方針。今年度は、現行の第二期基本計画(二〇〇一―〇 五年度)の最終年度であるため、内閣府に設置された総合科学技術会議の専門 調査会によって第三期基本計画の検討が進められています。 日本共産党は、今年の総選挙にのぞむ各分野の政策のなかで、「科学技術基 本計画を政府がトップダウンで決めるやり方をあらため、科学者の代表機関で ある日本学術会議の意見を尊重するなど、研究者、国民本位の立場で策定する ようにします」としています。 |