|
『京都新聞』2005年10月12日付 03年度のCOE中間評価 「計画変更必要」関西医大など 大学の世界的研究拠点作りを目指し、補助金を重点配分する「21世紀CO Eプログラム」で、日本学術振興会などの同プログラム委員会は11日、20 03年度に採択された131件の中間評価を公表、千葉大など4件について、 予算縮小の対象となる「目的達成は難しく、計画変更が必要」とした。 評価は「計画が順調に実施されている」「目的達成には一層の努力が必要」 「計画変更が必要」「今後の努力を待っても目的達成は困難」など五段階で実 施。 「計画が順調」は58件、「努力が必要」は69件で「計画変更が必要」は 千葉大のほか関西医科大、慶応大、北陸先端科学技術大学院大の3件。「目的 達成は困難」以下は該当がなかった。 このほか、COEを辞退した二大学の評価も公表。大学院教授が誤った研究 業績を記載した名古屋大の数学分野は「当初の期待と現在の状況に大きな隔た りがあり、目的達成は困難」だった。 首都大学東京への改組の過程で一部研究者が新大学に移らなかった東京都立 大(当時)の経済学分野は「目的に沿って計画が進んでいたが、中止せざるを 得ないのは遺憾」とされた。 ◆京滋3大学14件は「変更」なし 京都、滋賀関係では、京都大、同志社大、立命館大の三大学計14件が評価 対象となった。「計画が順調」が8件(京大6件、同大1件、立命1件)、 「努力が必要」が6件(京大5件、同大1件)で、「計画変更が必要」はなかっ た。 京大では「免疫、がん、老化の各分野で優れた業績を上げている」とされた 「病態解明を目指す基礎医学研究拠点」(医学研究科)などが高く評価される 一方、「21世紀型法秩序形成プログラム」(法学研究科)などで、担当者の 有機的連携などの課題が指摘された。 同志社大では「技術・企業・国際競争力の総合研究」(総合政策科学研究科 など)が京都の企業の革新性に焦点を当てた研究で評価され、「一神教の学際 的研究」(神学研究科など)は比較研究の体制整備が求められた。 立命館大の「文化遺産を核とした歴史都市の防災研究拠点」(理工学研究科 など)は、歴史的資産を守る各国との連携や人材育成への期待が記された。 ◆宗教系大学院が連合 同大など6大学 単位互換で連携 同志社大は11日、近畿の仏教系大五大学と「京都・宗教系大学院連合」 (事務局・同志社大)を発足させたと発表した。共同研究を通じ京都を宗教研 究の世界的拠点としてアピールするとともに、大学院生の単位互換(来春予定) など教育面での連携を進める。 21世紀COEプログラム「一神教の学際的研究」で一神教と多神教間の比 較研究の推進を図ろうと、参加を呼びかけた。京都から龍谷大、佛教大、大谷 大、種智院大が参加、高野山大(和歌山県)も加わった。今後、神道系の大学 にも働きかけていく。 事務局の小原克博・同大神学研究科教授は「京都の宗教的伝統を、文明間の 対話のモデルとしたい」と話している。 |