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新首都圏ネットワーク

nikkeibp.jp 2005年10月10日付

農工大、日本通運と富士写真2社と包括的産学連携協定を締結


 東京農工大学は、2005年10月3日に日本通運と富士写真フイルムの2社とそれ
ぞれ包括的な産学連携協定を締結したと発表した(両者との協定を締結した具
体的な日時は未発表)。農工大としては、企業との組織的な産学連携共同研究
プロジェクトを実施する協定締結は初めて。

 同協定締結を受け、日本通運と富士写真フイルムは、2005年10月6日に農工大
小金井キャンパスで開催された「スーパー産学官連携本部設置記念シンポジウ
ム」の中で、包括的産学連携協定で目指す研究開発テーマなどについてそれぞ
れ講演した。

 日本通運の久保田博常務執行役員は、農工大が持つ知的財産と日本通運が持
つロジスティクスのノウハウを組み合わせて新しいビジネスモデルを構築する
ことが農工大との包括的産学連携協定を締結した狙いと説明した。

 具体的には、日本通運はIT(情報技術)を使用した生活者視点のビジネスモ
デル、高齢化社会に適応した農業経営支援、CO2(2酸化炭素)削減などの環境
を配慮したロジスティクス技術、精密機器や美術品運搬向け制振・免振技術、
ロジスティクス向け作業ロボットなどの開発など約20件の共同研究テーマを精
査し始めている。

 富士写真フイルムの森内成典取締役・常務執行役員は、同社の研究開発体制
を一層拡充する目的で2006年3月に神奈川県・開成町に先進コア技術研究所を設
立する。約460億円の投資となる。こうして自社の研究開発体制を拡充する一方、
オープンイノベーションを追究して研究開発体制の自前主義からの脱却を図る。

 農工大との包括的産学連携協定の締結はその一環とする。同社は「独自技術
を極限追究する」基本方針の下で、大学などの外部との共同研究を図っていく
構えで、農工大とはライフサイエンスと機能性材料の分野で共同研究を実施す
る予定である。(丸山正明=産学連携事務局編集委員)