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新首都圏ネットワーク

nikkeibp.jp 2005年10月7日付

農工大、スーパー産学官連携本部として研究コーディネーターを配置


 東京農工大学はスーパー産学官連携本部として産学官連携戦略本部を設置し、
基礎研究から実用化までを一貫してマネジメントする研究コーディネーター6人
を6件の研究プロジェクトにそれぞれ一人ずつ配置した。2005年7月に文部科学
省がスーパー産学官連携本部整備事業の対象大学6校の一つに農工大を選んだの
を契機に、同大は産学官連携戦略本部を設け、海外の有力研究大学に匹敵する
産学官連携態勢を構築する目的で、研究マネジメントを担当する研究コーディ
ネーター6人を配置した。

 文科省は、スーパー産学官連携本部整備事業の対象大学となった東京大学や
京都大学などの6校に対して、海外の有力研究大学と同等の産学官連携態勢を築
くことを強く求め、産学官連携態勢のモデル校になることを求めた。具体的に
は、学内人材を集結して組織的な共同研究を効率的に進める研究コーディネー
ターを拡充し、企業から共同研究費や委託研究費などの研究資金を十分に受け
取る能力を高めるなどの課題を示した。

 文科省が設けたスーパー産学官連携本部整備事業の審査委員会は、農工大に
対して基礎研究から用途開発までの過程を滑らかにつなげるために、研究コー
ディネーターという専任部員を活用するように注文をつけた。農工大はこの注
文を受けて、研究コーディネーター6人を採用し研究プロジェクトのマネジメン
トを担当させる態勢を取り始めた。農工大は研究コーディネーターを全学的に
支援する仕組みを築きつつある。

 6人の研究コーディネーターは大学院研究部などが実施する共同研究・受託研
究プロジェクト「ナノ未来科学COE(センター・オブ・エクセレンス、卓越した
研究拠点組織)応用分子科学」「電子情報工学」「農学生存科学COE」「農学
(食料・環境)」「生命機能科学・バイオテクノロジー」「機械工学」に一人
ずつ配置された。プロジェクトの目標には人材育成や地域振興を進める役割も
盛り込まれている。

 研究コーディネーターは、農工大の産学連携窓口教員などと連携し、研究プ
ロジェクトの研究マネジメントを担当する。研究コーディネーターは、各研究
プロジェクトの基礎研究から応用開発、実用化までを一貫してサポートし、具
体的な成果を上げる確率を大幅に高める。スーパー産学官連携本部整備事業の
対象大学として産学連携の具体的な成果を大幅に増やし、産学連携のモデル校
の役割を果たす構え。

 農工大は産学官連携戦略本部の下に産学官連携戦略委員会を置き、学長が委
員長を務める産学連携推進の意志決定機関を設けた。同委員会は学長に理事・
副学長4人、部局長6人、産学官連携・知的財産センター副センター長と専任教
員2人、総括本部長など3人、研究支援・産学連携チームリーダーなど合計18人
で構成している。これによって学長は産学連携に対して全学的な視野でリーダー
シップが発揮できるとする。(丸山 正明=産学連携事務局編集委員)