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新首都圏ネットワーク

nikkeibp.jp 2005年10月7日付

京大、京大支援ベンチャーファンド設立構想を公表


 京都大学は“京大発”ベンチャー企業の育成を目的とする「京大支援ベン
チャーファンド」を設立する構想を発表した。京大教員や学生などが研究開発
している研究成果案件の中から、「プロジェクト」として投資対象になるかを
審査し投資する。実際にファンドの資金集めや管理・運用するベンチャーキャ
ピタル企業は公募によって決め、学外に設置する計画。

 京大の産学連携の要になっている国際イノベーション機構(IIO、機構長=松
重和美副学長・教授)によると、これまでベンチャーファンド創設に関するワー
キンググループを設けて議論を重ねてきた。

 京大の大学教員にベンチャーファンド創設についてアンケート調査した結果、
ベンチャー企業を志向する研究段階の「アーリーステージ」で、ベンチャー企
業の支援投資が必要と声が多いの結果となった。大学の文化・風土・状況を考
慮し、アーリーステージの「プロジェクト」を投資対象にしてほしいとの声が
多かったという。

 アーリーステージに加えて、既存のベンチャーキャピタルの投資対象になる
「ミドルステージ」も当然投資対象とする。数年後には、IPO(新規株上場)を
実現するベンチャー企業に育成することを目指す。現在、国際イノベーション
機構は京大支援ベンチャーファンド設立を具体化するアイデアや仕組みを求め
ている。

 大学自身がベンチャーファンドを持ったり、強く関与する先行例は、2004年
4月に設立された東京大学エッジキャピタル(東京都文京区)がある。初年度で
約83億のファンドを立ち上げた実績を誇る。京大支援ベンチャーファンドは、
東京大学エッジキャピタルとは異なる企業の形態になりそうだ。(丸山正明=
産学連携事務局編集委員)