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新首都圏ネットワーク

『河北新報』2005年10月5日付

東北大、若手の研究に助成金 異分野連携を促進


 学部や専攻を超えた若手研究者の連携を後押しするため、東北大は本年度、
異分野の独創的な研究を支援する独自の助成プログラムを始めた。医学と工学、
文学と自然科学などの組み合わせで、新たな学問の開拓につなげる。

 昨春の独立行政法人化で国の交付金が減る中、若手向けの助成制度を設け、
研究の底上げと活性化を図る狙いだ。

 対象は学内の37歳以下の研究者。異なる分野や専攻の研究者が集まったグ
ループに、年200万―500万円を助成する。期間は最長3年間で、年度ご
とに研究成果報告書の提出を義務付けた。

 初年度の助成対象は、医療技術の進歩で連携が先行している医工学を中心に、
文学・自然科学、国際文化・科学技術など文系と理系が融合した研究2件を含
む22件が選ばれた。

 当初は15件を予定していたが、応募が166件に上ったことから、急きょ
枠を拡大。予算では4500万円だった助成総額も6470万円に増額した。

 法人化に伴い、国立大の経営は劇的に変わった。学長や部局長の裁量が大き
くなり、より独自性のある予算運営が可能になった一方、国からの運営費交付
金は年々減り、自立した経営が求められている。

 国の科学研究費補助金や企業との共同研究による外部資金も、実績のある研
究者や実用化が期待される研究に偏りがちで、若手の育成までは十分に行き渡
らないのが現状だ。

 東北大研究協力課は「予想を上回る応募は、助成プログラムへの期待の表れ。
将来、研究を発展させるためのステップにしてもらいたい」と話している。