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新首都圏ネットワーク

『京都新聞』2005年10月5日付

京大支援ベンチャーファンドを設立
30〜50億円規模で運用


 京都大は5日、京大発の新技術やアイデアの起業化を支援する「京大支援ベ
ンチャーファンド」を設立すると発表した。研究開発段階のプロジェクトにも
積極的に投資し、来年夏までに30億円から50億円規模の基金で運用を開始
する。

 国立大学法人は直接基金に出資できないため、学外に設置する。基金集めや
管理、運用は公募で選定する学外のベンチャーキャピタルが担当、学内の資金
管理委員会が点検する。

 すでに東京大や大阪大などが学外にベンチャーファンドを設立しているが、
京大ならではの特色として、株式公開を控えた企業活動だけでなく、起業をめ
ざしながらも研究段階にある活動への投資を重視する。

 第一段階として30億−50億円規模の基金を設立、京大や京大関係者が進
めるバイオテクノロジーや電子技術などのハイテク、環境、教育などさまざま
な研究を対象に、数十件への出資を検討している。

 松重和美副学長は「京大の知的財産活動は国内でトップを走っており、大学
の知恵を社会に役立てる一つの手段として期待している。たとえビジネスに失
敗しても、大学として続けて支援できる体制も作っていきたい」と話している。