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新首都圏ネットワーク

『静岡新聞』2005年10月4日付

寄付金で初の研究組織 県立大


 県立大(西垣克学長)は10月から、日清製粉グループ(東京都)が研究費
などを負担し、共同で高次機能性食品を研究する寄付講座を新たに開設する。
同グループは、講座運営に必要な経費と寄付金計2億500万円を5年間にわ
たり提供する。同大が寄付講座による共同研究組織を設けるのは初めて。

 開設するのは「日清製粉グループ・高次機能性食品探索講座」。大学院生活
健康科学研究科に所属し、食品成分による(1)腸管免疫の活性化(2)抗疲
労、抗ストレス作用(3)生活習慣病予防効果―を主な研究テーマとし、食と健
康の関係を幅広く探る。新たに採用する客員教授ら4人で構成し、同グループ
から共同研究員数人が派遣される予定。

 寄付講座は、企業の資金提供によって大学に開設される講座で、企業名を称
するため冠講座とも呼ばれる。同大は事業費を企業が負担する「ビジネス講座」
を開講しているが、共同研究講座は初めて。

 大学側は多額の外部資金を確保することで、新たな研究スタッフや研究機器
を取得できる。企業側は大学との人的交流を深め、基礎研究分野の底上げを通
じて開発期間の短縮を目指す。