トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

nikkeibp.jp 2005年09月26日付

北大知的財産本部、2005年度中に北海道TLOと包括協定締結へ


 北海道大学知的財産本部は、承認TLO(技術移転機関)である北海道TLO(札
幌市)と包括業務を委託する包括協定を平成17年度(2005年度)中に締結する。
技術移転作業のための各種の調査・評価業務や契約支援業務などを包括的に業
務委託する。北海道TLOは、2005年5月30日に北見工業大学と包括協定を締結済
みであり、北大との協定提携は2校目となる。

 北海道TLOは平成11年(1999年)12月に株式会社として設立され、同12月に承
認TLOとして文部科学省と経済産業省に承認された。現在、資本金は6000万円で、
大学教員など約300人が資本金の約60%を出資し、残りの約40%を企業が出資し
ている。株主数は349人で、教員株主が約90%を占める。

 北海道TLOは、2005年9月1日時点で累計の特許出願数が国内132件、外国44件
で、技術移転件数が44件の実績を持つ.2005年度の委託研究・共同研究支援件数
は12件、大学発ベンチャー企業の設立支援件数は累計で6件に達している。

 設立時は北大のキャンパス外に会社を構えたが、現在は北大の事務局内に入
居している。今後は、北大との包括協定を締結によって、北大の研究成果から
産まれる発明に基づく特許の技術移転の可能性評価と、出願した後の技術移転
のためのマーケッティング、技術移転時の契約提携などの業務を担当する業務
委託を担当する構え。

 現在でも、北大は北海道TLOに副社長を派遣する一方、北海道TLOは北大の知
的財産審査会に委員を送るなど、両者は既に人材派遣面でもかなり一体化して
北大の研究成果の技術移転活動を実施している。

 北大知的財産本部は北大らしい発明として、農学分野や水産分野からの発明
の発掘に力を入れている。北大発の知的財産の活用によって、“北海道ブラン
ド”を拡大していく計画で、既にタマネギの搾(しぼ)りかすから健康食品を
開発したり、ラベンダーの香り成分から医薬品を開発するなどの成果を上げ始
めている。
(丸山 正明=産学連携事務局編集委員)