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『東亞日報』2005年9月24日付 国立大の法人化、教授団体が集団で阻止運動展開へ 教育人的資源部(教育部)が国立大の法人化を進めているなかで、全国公立 大学教授会連合会(国教連)が24日、法人化反対集会を開くなど本格的な阻 止運動を展開し始めた。 過去の権威主義政権時代に政治問題で大学教授たちが街に出たことはあるが、 大学政策に関連して集団行動をするのは初めて。 国教連は同日の午後2時、ソウル鍾路区(チョンノグ)の宗廟(チョンミョ) 公園で全国45の会員大学所属の教授ら1000人が参加し、「国立大法人化 推進反対のための全国国公立大教授大会」を開く。 国教連は、大会を終えた後、鍾路3街〜清渓川(チョンゲチョン)〜乙支路 (ウルチロ)〜明洞(ミョンドン)聖堂まで街頭行進する計画だ。 ▲法人化推進の背景:教育部は、国立大に対し財政支援を行うと同時に予算、 組職、人事など国立大の運営全般を管理監督してきたが、以後は国立大を特殊 法人化して競争力を高めるべきだとして「国立大運営体制に関する特別法」の 制定を進めている。 これが実現すれば、国立大の会計が法人会計に一元化され、独立運営される ことになり、総長、地域の有力者、同窓会代表などで構成される大学理事会が 学校を運営することになる。教授・教職員の身分は公務員から民間人に変わる。 教育部は、「法人転換する場合、国立大への支援を今の水準に保ち、雇用承 継と公務員年金恩恵は維持される」とし、「条件が整れば、希望する大学から 転換を誘導する」との方針を明らかにしている。 ▲なぜ反対するのか?:国教連は、法人化反対の最大の理由として、財政悪 化と大学における手抜き教育などを挙げている。 法人化すれば政府支援金がなくなり独立採算での運営を余儀なくされ、存立 が危ぶまれる大学が出てくる可能性がある。国立大は、これまでは学費が安い ことを売り物にして、私立に対して優位に立っていたが、これからはその魅力 がなくなる。 そうなると、国立大も独自の収益事業を手がけなければならなくなり、登録 料の引き上げが避けられないため、究極的には父兄の負担増につながる、と主 張している。 実際に国立大が市場論理に左右されれば、ビジネスに直結した学問分野にだ け重点を置くようになり、基礎学問や純粋学問が崩壊するだろう、と懸念する 見方もある。 また国立大は、学科間の統廃合、大学間の強制統廃合、整理解雇など強力な 構造調整に踏み切るほかないため、教職員の身分が不安定になる点も憂慮して いる。 金松煕(キム・ソンヒ)国教連常任会長(江原大教授協議会長)は、「国立 大の構造改革と大学間の統廃合が進められている状況下で、法人化まで進めら れる場合、大学は混乱に陥るだろう」と述べた。 ▲ソウル大を除き自活力不足:ソウル大を除いて、法人化が進められるほど の能力のある国立大が、ほとんどないという事実が悩みの種だ。 ソウル大本部は、「構成員が望まなければ法人化は進めない」との立場を示 しているが、法人化に賛成する教授も少なくない。ソウル大教授協議会が法人 化に反対しながらも、国教連主催の行事に積極的でない背景には、このような 内部の空気がある。 |