|
『中国新聞』2005年9月22日付 島根大医学部 研修や推薦枠導入 島根大医学部(出雲市)は本年度から三年間、文部科学省の支援を受け、へ き地医療の担い手育成に向けた独自の教育プログラムに取り組む。米国での地 域医療研修や遠隔診療教育システムの導入などにより、医学生や研修医、中堅 医師らの意欲を高め、定着を目指す。 島根大は来春入試で、島根県内のへき地出身者を対象に、市町村長の面接な どを出願要件とする全国でも珍しい地域枠推薦を導入する。 プログラムでは、この制度によく似た米ワシントン州立大の地域枠推薦入学 制度に着目する。島根大は三年間で中堅医師六十人、研修医三十人程度を一週 間―三カ月間派遣し、三十年以上前から地域医療の人材育成に成果を挙げてい る州立大の取り組みを研究。参加者を中心に将来的に、「地域医療教育研修セ ンター」を設立し、“日本版”を育てる構想も描く。 また、島根大付属病院が開発した遠隔診療教育システムを県内の離島や中山 間地の病院など計四カ所に設置。大学の専門医の助言を受けられるなど、高度 医療を身近に感じる体制づくりなども掲げている。プログラムの実施主体とな る同病院の小林祥泰病院長は「島根は県土の三分の二がへき地。医学生や研修 医が地域医療に夢や使命感を持てるような教育を実現したい」としている。 |