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新首都圏ネットワーク

『北海道新聞』2005年9月17日付

国立大経営、北大と北見工大に高評価 旭医大に厳しい評価も


 国立大学法人評価委員会(野依良治委員長)は16日、2004年度に法人
化された国立大と大学共同利用機関計93法人の同年度業務実績について「全
般的に(経営計画は)順調に実施されている」とする評価結果を公表した。経
営内容の評価は初めて。各法人の個別評価では、道内7大学のうち、北大と北
見工大が全体的に高い評価を得たが、旭川医大と室蘭工大は一部項目で厳しい
指摘を受けた。評価結果は各法人に通知し、今後の経営に役立てる。

 評価対象は「業務運営の改善、効率化」「財務内容の改善」「教育研究等の
質の向上」など五項目。「教育研究−」を除く四項目は、各法人が定めた中期
計画(○九年度まで)の達成度に着目し、良い順に「特筆すべき進行状況」
(以下、Aと表記)、「計画通り」(同B)、「おおむね計画通り」(同C)、
「遅れている」(同D)、「重大な改善事項がある」(同E)の五段階で絶対
評価した。

 四項目とも「B」「C」で八割以上を占め、いずれかの項目で「A」評価を
受けたのは、六億五千万円を学長裁量経費とし若手の研究など重点施策に投じ
た東京工大をはじめ、東大、岐阜大など十二大学。

 「D」があるのは十四大学と一研究機関で、「E」はゼロ。

 道内は北大と北見工大が四項目とも「B」。北大は学長主導で約十二億円の
重点配分経費を設け、法科大学院をはじめとする専門職大学院の設置支援など
にあてた。北見工大は、企業などとの共同研究に積極的に取り組み、外部から
の資金額(約一億円)を前年度比一千万円増やした。

 小樽商大、帯広畜産大は一項目が「C」で、残りは「B」。道教大は「B」
と「C」が半々だった。室蘭工大は、施設整備計画策定に着手できていないた
め、一項目が「D」。旭川医大は大学院博士課程の定員充足率が85%を割る
などで二項目で「D」評価を受けた。

 五段階評価を見送った「教育研究等の質の向上」では、専門職大学院の入試
上位10%を対象とした入学料、授業料免除(北大)や、へき地医療に対応す
る実習(旭医大)なども評価された。

 野依委員長は「想像以上に各法人は経営に努力している。今後、多様で個性
ある大学づくりがさらに進むはずだ」と話している。