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『山陰中央新報』2005年9月17日付 島根大の法人化1年目は「及第点」 島根大学(松江市西川津町)は、法人化1年目にあたる2004年度の業務 実績評価の結果を16日発表した。評価は、各大学が教育研究や運営の指針と して策定した中期計画(6年間)の進行状況を、文部科学省の国立大学法人評 価委員会が判定。同大は全体的に「初年度の計画が順調に達成されている」と の評価を得た。 計画の進行状況全体を判定する「全体評価」では、退職教員の人件費の一部 を重点研究に振り分けるなど戦略的な予算配分や、授業、指導法改善の推進策 が評価された。 4分野を5段階で採点する項目別評価では、電気供給やコピー機リースの複 数年契約など、法人化のメリットを生かした経費削減策が認められた「財務内 容の改善」をはじめ、「自己点検・評価および情報提供」「その他の業務運営」 の3分野が、上から2番目の「計画通り進んでいる」の評価を受けた。 「業務運営の改善・効率化」の分野は、大学院博士課程の定員充足率が文科 省の基準85%を割った点が指摘され、上から3番目の「おおむね計画通り」 とされた。 教育研究の質の向上に関する評価では、教育学部の「1000時間体験学修 プログラム」や地元金融機関と提携した大学独自の授業料融資制度などが注目 される成果として認められた。 国立大学の業務はこれまで事前審査に重点が置かれていたが、法人化を機に 実績評価が重視されるようになった。中期計画六年間の評価は、国からの運営 費交付金の額にも反映される。 保母武彦副学長は「初めて自ら大学を経営するという取り組みの中では、構 成員の意識改革が最も難しかったが、努力の結果、及第点をもらい、納得して いる」と話した。 |