トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

『河北新報』2005年9月13日付

弘前大、研究費を全額助成 産学連携で地域振興目指す


 弘前大は、青森県内の企業と弘前大教員の共同研究費を助成する「弘大GO
GOファンド」の公募を10月開始する。産学連携による地域振興が狙い。大
学が共同研究全体の費用に対し助成を行うのは、全国でも珍しいという。

 これまで大学と企業による共同研究は、金銭面を企業、人材面を大学が負担
するのが通例だった。大学が費用を負担する場合も、企業と大学の負担割合が
決められていることが多かった。弘前大は地域社会に対する貢献策の一環とし
て、新たな助成制度を設けた。

 GOGOファンドは全体の研究費に対し、最大500万円を助成する。助成
の対象は青森県内に事業所があるか、県内進出を考えている企業で、1年間で
研究を終了または成果が得られるようなテーマ。10月3日から、大学のホー
ムページなどで申請書を公開する。

 選考は、学内外の有識者らで組織する選考委員会が行い、約1カ月間で審査
する。本年度は総額2000万円を用意し、応募状況によって増額も検討して
いく。弘前大社会連携課では「地域に有益な研究を掘り起こし、産学連携の底
辺を広げたい。こうした試みは、国立の大学では初めてではないか」と話して
いる。

 地域企業との連携強化について弘前大では、顕微鏡など約20台の分析機器
の有償による開放も検討している。利用方法の指導やデータ解析支援なども行
い、年内中の実施を目指している。