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新首都圏ネットワーク

共同通信配信記事 2005年9月7日付

スプリング8利用が有料に
文科省決定に研究者反発


 文部科学省は7日までに、原則無料だった大型放射光施設スプリング8(兵
庫県三日月町)の利用を、来年9月から有料化することを決めた。1回8時間
の利用で消耗品代などとして、1万300円と実費を請求する。

 財務省が2004年にまとめた予算執行調査で「施設の劣化対策のため、利
用料金を徴収すべきだ」としたのを受けた措置。年間約9500万円の収入を
見込むが、利用者からは早くも「劣化対策には年間約4億円かかり、焼け石に
水。研究に制約が生じるデメリットの方が大きい」と批判が噴出している。

 スプリング8は、高速の電子が放つ光を利用して物質の微細な構造や成分を
調べる共用施設で、大学や企業などが広く研究に利用している。財務省の20
00−03年の調査で、無料利用者は、企業など成果を公表しない有料利用者
の3倍近く長い時間、使っていた。