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新首都圏ネットワーク

『山陰中央新報』2005年9月1日付

島大が教員養成の専門職大学院設置を申請へ


 山陰両県で唯一の教員養成機関の島根大学が、2007年春の創設を目指し
て検討されている教員養成の専門職大学院の設置申請の準備を進めている。島
根、鳥取両県教委と一体となって現職教員の指導力向上や実践力のある新人教
員を養成する拠点づくりを目指す。

 中教審の作業部会がまとめた基本構想では、専門職大学院は、現職教員の指
導力向上と即戦力になる新人教員の養成が目的。指導する専任教員の4割以上
をベテラン教員ら経験豊富な実務家とし、教科、生徒指導や学級、学校運営を
教える。

 島根大は中教審の審議が始まった昨秋、教育学部内に教職員10人による将
来計画プロジェクトを設置。2月には文部科学省の担当者や山陰両県教委の関
係者を招いてフォーラムを開くなど準備を進めてきた。

 試案では、対象は義務教育を担う教員を想定。現役教員の資質向上、学生の
専門的力量の向上に対応する。地元のベテラン教員のほかカウンセラー、企業
人を実務家教員として迎える。研究偏重の既存の大学院と違い、現場実習を重
視する。

 近く全学規模の検討組織を発足。構想段階から島根、鳥取両県教委に協力を
求める予定で、10月にも協議を呼び掛ける。さらに、年内には構想を策定し、
来年度に開設を申請する。

 島根大教育学部の山下政俊学部長は「開設を実現し、山陰両県の教員の質的、
量的向上に貢献したい」と話している。