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新首都圏ネットワーク

『徳島新聞』2005年8月24日付

徳大純利益7・5億円、鳴教大1・6億円 法人化後初04年度決算


 国立大の法人化後初となる二○○四年度決算で、全八十九大学のうち八十八
大学で総利益が計約千百億円となったことが二十三日、文部科学省のまとめで
分かった。最も多かったのは大阪大の七十一億円。岐阜大は付属病院の新築で
減価償却費がかさんだことなどから十三億円のマイナスとなった。徳島大の純
利益は七億五千万円で四十位、鳴門教育大は一億六千万円で六十七位だった。

 千百億円の大部分は、旧国立大時代から引き継いだ未収授業料や付属病院の
薬の在庫分などで、経営努力などによる総利益は計五十四億円。文科省は「経
費削減や外部資金獲得など経営努力が一定程度実った格好だが、法人化に伴う
特殊要因が総利益を大幅に増やした」としている。

 総利益が多かったのは大阪大に続いて東大七十億円、九州大六十三億円の順。
受託研究費などの外部資金を得やすい旧帝大や、収入の多い付属病院を持つ大
学が並んだ。

 一億円に満たないところも十三大学あった。総利益分は剰余金として、大学
の裁量で教育研究経費などに使用できる。

 経常収益が多かったのは東大の千七百七十一億円のほか、京都大千百九十三
億円、大阪大千六十四億円、東北大千三十一億円となり、四大学で一千億円を
超えた。徳島大は三百五十二億円、鳴門教育大は四十五億円。

 八十九大学に自然科学研究機構など四法人を加えた九十三法人の経常収益は
計約二兆四千五百億円だった。

 収益のうち国からの運営費交付金は47・7%、付属病院収益は25・5%、
授業料や入学金が14・6%、外部資金は6・6%。一方、費用は人件費が5
5・3%、診療経費18・1%、研究経費9・9%、教育経費4・4%。

 外部資金の額が多いのは東大の二百六十九億円、京都大百三十六億円、大阪
大百十九億円の順。徳島大は十九億円、鳴門教育大は一億円で、十五大学では
一億円に満たなかった。

 決算は二十九日に文科相の承認を受け、確定する。

 《国立大学法人》政府の中央省庁改革推進本部が1998年、行政スリム化
を目指し国立大学の法人化を提唱、2004年度に発足した。国立学校特別会
計の予算を消化するだけの国立大時代とは異なり、各大学が損益計算書や貸借
対照表を作成するなど、企業会計にならった決算をすることが義務付けられた。
大学収入の約半分を占める国からの運営費交付金は毎年1%ずつ削減されるた
め、大学はコスト削減などを迫られている。