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新首都圏ネットワーク

『毎日新聞』2005年8月24日付

国立大:04年度総利益は1103億円 初の財務公表


 昨年4月の法人化後、初めてとなる国立大の04年度決算で、当期の総利益
(剰余金)が1103億円に上ったことが24日、文部科学省の調べで分かっ
た。だが、旧国立大から引き継いだ未収授業料などが大半で、経費節減など経
営努力によるものは、54億円にとどまった。文科省は「一時的な要因を除け
ば、収支は均衡している。今後の基礎となる初の決算が出たことで、2、3年
後には各大学の本当の実力が分かってくるのではないか」とみている。

 財務諸表の作成・公表を義務付けている89の国立大と四つの共同利用機関
についてまとめた。

 資産総額は、9兆793億円。このうち、旧国立大から移行された土地・建
物・研究機器など固定費分が7兆7363億円(85.3%)を占めた。他に
は、教育研究用の図書が4762億円(5.2%)、特許権13億円など。

 総利益の内訳は、未収授業料・未収付属病院収入が201億円▽03年度末
における医薬品や診療材料の在庫相当額149億円−−などが大半で、会議資
料のペーパーレス化(弘前大など)▽公用車の一部を軽自動車へ切り替え(琉
球大)など経営努力によるものは54億円だった。

 経常収益の総額は2兆4454億円。国からの運営費交付金が最も多く、1
兆1655億円(48%)、付属病院からの収益6245億円(26%)、学
生納付金3568億円(15%)などとなった。大学別にみると、東京大17
71億円、京都大1193億円、大阪大1064億円の順。企業などからの受
託研究や寄付金を合わせた外部資金で比べると、東大が269億円で最多で、
京大136億円、阪大119億円が続き、旧帝大が強みを発揮している。【千
代崎聖史】