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新首都圏ネットワーク

Medwave 2005年8月19日付

 看護師の離職率は11.6%、東京都は秋田県の3倍強:日本看護協会まとめ


 日本看護協会はこのほど、看護師の離職率などをまとめた、「2004年 病院
における看護職員需給状況調査」の速報値を発表した。それによると、2003年
度における看護師の平均離職率は11.6%で、2002年度と同じ値だった。離職率
は、設置主体や地域、病院の平均在院日数などによって、最大3倍強と格差が
見られることが分かった。本調査は今年で10回目になる。

 調査時期は2004年11月〜2005年1月。日本看護協会会員が勤務する6717病院
に調査票を郵送し、看護部長に記入してもらい、郵送で回収し、3373病院から
有効回答を得た。

 地域別の離職率についてみると、最も離職率が高いのは、東京都で16.3%、
次いで大阪府(15.3%)、神奈川県(14.6%)、埼玉県(13.5%)の順で、大
都市圏で離職率が高い傾向が見られた。反対に最も離職率が低いのは、秋田県
で4.4%、以下、山形県(5.7%)、岩手県(6.4%)の順だった。最も高い東京
都の離職率は秋田県の3倍を超える。

 設置主体別では、学校法人ならびにその他の法人が14.7%と高く、次いで個
人が14.2%と高かった。一方、都道府県・市町村は7.2%、国民健康保険団体連
合会の9.0%は低かった。

 また前年度と比較すると、2002年度には、国(厚生労働省)、国(その他)
がともに10.6%だったが、2003年度には、国(厚生労働省)、国立大学法人、
独立行政法人国立病院機構、独立行政法人労働者健康福祉機構は12.4〜12.9%
と約2ポイント増えていた。また社会保険関係団体も2002年度は11.5%だった
のに対し、2003年度は13.5%と2ポイント増えていた。一方、個人は2002年度
の15.8%が2003年度には14.2%に減少した。

 看護協会では併せて、病院内における新卒看護職員の教育担当者配置状況に
ついての調べている。それによると、看護職員の専任担当者を配置しているの
は、451病院、13.4%にとどまり、約6割(59.7%)にあたる2013病院では、病
棟・外来業務と兼務での配置を行っていた。また、2割強(22.2%)は看護職
員を配置していなかった。看護協会では、「看護業務との兼務では教育担当者
の負担が大きく、教育体制整備が必要」としていた。