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新首都圏ネットワーク

『琉球新報』2005年8月17日付

研究生かし産業創出 琉大など株式会社・TLO設立へ


 琉球大学(森田孟進学長)を中心とした株式会社が2005年度内にも設立
される。琉大を含む他大学などの研究機関から生み出された研究成果を産業界
に移転し、新たな産業の創出などを目指す技術移転機関(TLO)を出資金を
募って株式会社化するもので、地場産業発展の推進役として期待される。

 資本金は1500万円。会社の名称は「沖縄TLO(仮称)」で、事業計画
を10月までに固め、年内には会社設立のための発起人会を立ち上げることを
目標に、準備が進められている。出資者として、琉大の教職員や卒業生のほか、
県内企業などからも協力を募るほか、県内の他大学や研究機関とも連携を取っ
ていくことで“オール沖縄型TLO”の実現を目指す。

 全国には、文部科学省と経済産業省から承認を受けたTLOが39カ所あり、
設立形態は株式会社のほか、有限会社や財団法人がある。

 承認を受けると、年間3千万円を上限に、5年間の補助金を受けることが可
能になる。

 11日には琉大内で「沖縄TLO第1回設置準備委員会」が開催された。琉
大のほか、沖縄総合事務局や県産業振興公社、県工業連合会、沖縄電力、沖縄
銀行などから委員が参加し、設立に向けた話し合いが持たれた。

 琉大知的財産本部の照屋輝一産学官連携推進部門長は「沖縄地域の産業を発
展させるためには大学機関の知恵や技術を活用しなければならない。その推進
をするのが沖縄TLO」と話し、産業創出のための中核機関として期待を寄せ
ている。