|
『朝日新聞』2005年8月4日付 声欄 金もちの子が有利だなんて 大学生 岩崎 明日香(東京都三鷹市19歳) 「高所得層の子が受験戦争でどんどん有利になり、低所得層はチャンスが狭 められている」という(7月31日朝刊)。東大の学生生活実態調査によると、 東大の親の年収は平均で約977万円だそうです。 九州の私の実家はその5分の1ほどの年収ですが、子どもが6人もいて家計 はとても楽とは言えません。私も塾通いなどは論外で、公立高校の授業料を免 除してもらっていました。 本来ならば私も働かねばならなかったのですが、家族は文字通り働き通しで、 私を大学へ出してくれました。現在、仕送りはなく、奨学金とアルバイトで何 とか大学生活を送っています。家族には申し訳なさと感謝の気持ちでいっぱい です。早く就職して家族を楽にさせたいと思っています。 学費値下げ運動をしている全日本学生自治会総連合の資料では、日本の大学 の初年度納付金は国公立が約80万円、私立は平均で130万円を超えていま す。これに対して、フランスの公立1万9千円をはじめ、諸外国と比べても日 本の高さが際だっています。 お金のあるなしで教育の機会均等が奪われるなんて。そんな悲しい国に日本 をしたくありません。 |