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『朝日新聞』2005年8月1日付 企業求める人材育成へ 経産省、大学のカリキュラム分析 わが社の求める人材、どこに? 大学のカリキュラムを知識やスキル別に分 類し、産業界の求める人材との適合度を探る調査を経済産業省がまとめた。大 学教育は産業界の求める人材育成に十分応えていないとの指摘を受け、今回は IT分野での人材育成の観点から、具体的なカリキュラムの分析を試みた。結 果はウェブ上で公開中。 「大学は求める人材を育てていない」「どこが足りないのか、具体的に言っ てほしい」 今回の分析は、こんな産業界と大学側のミスマッチを解消し、教育内容の向 上を促すのが狙い。日本経団連や日立製作所など産業界と、東大や阪大などの 大学側から委員を出し、適合度の判断基準を設定して分析を試みた。405の 学科(学部レベル)と288の専攻(大学院レベル)が対象。 ソフトウエアなどのコンテンツ制作、コンサルタント、ネットワークの整備 など企業が求める12の人材群を設定。彼らに必要とされる知識やスキルを定 義して、各大学で行われている教育内容との重なり具合を調べた。 例えば、IT上のセキュリティー担当の人材群では、専門化した数学や情報 学のほか、プログラミング言語論や暗号などが重要度の高い「知識」で、スキ ルとしては「論理的構成力」が要求される。これらをどれほど重点的に教育し ているかで、学科・専攻ごとに、「A+」「B+」などと評価した。 企業側は求める人材養成に適した大学の学科・専攻リストを参照することが でき、大学側は産業界から見た授業内容の評価が分かる仕組みだ。 経産省大学連携推進課は「産業界と大学双方の顔が見えることで、カリキュ ラムの一層の改善につながればいい。他分野にも応用できる」と話している。 |