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新首都圏ネットワーク

『毎日新聞』福井版  2005年7月27日付

県教委:4国立大向け講座中止 来月別講習、就職や推薦希望者に /福井


 福井県教委の「学力向上問題等協議会」(会長・西藤正治教育長)は26日、
高校3年生の就職希望者や大学推薦入学希望者を対象にした夏季講習会を来月
上旬に開くことを決めた。同講座を県教委が開くのは初めて。計画段階では、
難関国立大学への希望者に絞っていたが、県教委は「学校現場のニーズを再度
聞いた結果」と話し、議題にしなかった。

 県教委は当初、東大、京大と、地元の福井大、金沢大の志望生徒を対象に夏
季講座を計画し、県立高校の進路担当者らを集めた準備会で案を出した。しか
し、教員の間から「生徒を選別し、教育の機会均等に反する」との声が出て、
県高校教職員組合は14日、県教委に公開質問状を提出。県教委は「準備段階
で、決まったわけでない」とし、PTAや高教組、企業経営者らで組織する同
協議会で審議し、最終決定する考えを示していた。

 就職及び推薦入学希望者の講座は私立高校の希望生徒も対象に、8月5日と
8日、嶺北と嶺南の県内2会場で県高校長協会が開催。県教委学校教育担当の
津田節江・企画幹は「2学期が始まるとすぐに就職や推薦の試験が始まるので
この時期開くことは有効。生徒の学力向上に役立つ他の講座も、できるものか
ら実施したい」と話した。

 また、同協議会は、今年度末までに生徒減少に伴う学校配置や入学制度など
の考え方をまとめる「県立高校再編整備検討会・仮称」を近く設置することを
決めた。【佐藤孝治】