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新首都圏ネットワーク

『京都新聞』2005年7月27日付

受験生確保へ知恵合戦
京の国公立大 在学生巻き込み


 大学間の競争が激しくなる中、京都の国公立大も受験生となる中学、高校生
への働きかけを強めている。京都大(京都市左京区)では全国から訪れる修学
旅行生などに学生ボランティアがキャンパスを案内するなど、PRで先行する
私立大に負けじと、さまざまな取り組みが行われている。

 京大では、修学旅行などで訪れた生徒にキャンパス地図を配り自由に見学し
てもらっていたが、4月からは学生サークル「キャンパス☆シンフォニー」の
キャンパスガイドも、学生部や生協の紹介で行われている。

 今月12日には、修学旅行で京大を訪問した岡山大安寺高(岡山県)の2年
生60人を、時計台記念館や生協食堂、総合図書館などへ案内。学生たちは、
サークルの数の多さや図書館の大きさに驚く生徒たちに「いろいろな可能性が
あるのが大学。自分なりの目標を持って勉強してほしい」と激励した。代表の
藤遙さん(理学部3年)は「まだ小さいサークルですべての希望に応じること
はできせんが、学生の立場から京大の魅力を伝えたい」と張り切る。

 一方、京都教育大(伏見区)は、模擬授業やキャンパスツアーなど大学に生
徒を招いた体験入学に力を入れる。今月も東稜高(同区)の2年生が武田一郎
教授による自然地理学の授業を受けた後、学生の案内でキャンパスを回った。

 「授業や施設を知り、先輩の話を聞くことは、入学後に『こんなはずではな
かった』と悩む学生を減らすことにもつながる」(同大学入学試験係)と期待。
8月6日のオープンキャンパスも、教員と学生が協力し研究室紹介や施設を案
内する。

 京都府立大(左京区)も、今年のオープンキャンパス(30、31日)で全
学部が提供する模擬授業を初めて実施する。「女らしさ・男らしさとファッショ
ン」「体内時計の科学」などユニークな内容で、一部の講義はビデオに収録、
府立高に配信し見てもらう。「府北部などオープンキャンパスに参加しにくい
生徒にも、大学の魅力を伝えたい」(同大学入試係)という。