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新首都圏ネットワーク

『毎日新聞』鳥取版  2005年7月26日付

鳥取大:来年度の医学部推薦入試、地元出身者に優先枠−−地域への貢献期待


 県内での医師確保を図るため、鳥取大は来年度の医学部医学科の推薦入試か
ら、県内の高校出身者を対象にした「地域枠」を新設する。県は、同枠入学者
への奨学金支給で後押しすることを決めた。同枠への奨学金支給は、同大と鹿
児島大(対象2人)の2大学が導入予定。10月上旬に募集要項を発表し、1
2月中旬に願書受付を行うという。

 募集人数は、推薦合格者15人のうち5人以内。出願資格は県内の高校出身
者で、将来に県内の医療に貢献したいという強い意志を持ち、校長が推薦する
現役または1年浪人している受験生。大学入試センター試験の成績や推薦書、
面接結果などで総合的に判定する。

 県は6月補正予算で、奨学金として1人当たり月額12万円を計上。学生が
臨床研修を終えた後、通年で6年間、県知事が指定した病院などで常勤医師と
して勤務した場合には返還を免除される。

 同大によると、県内では医師や病院などが市部に集中し、郡部では小児科や
産婦人科、精神科などの医師が不足。また、県内出身の卒業生も都会志向が強
く地元への定着は十分ではないという。

 井藤久雄・医学部長は「地域医療に情熱のある医師を育てたい」と話してい
る。問い合わせは同大入試課(0857・31・5061)。【山下貴史】