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『毎日新聞』埼玉版  2005年7月22日付

埼玉大:教育学部、教員養成に特化 都市部採用に対応−−来年度から定員増

 ◇来年度から定員1割増

 県やさいたま市など都市部の教員採用数の増加に対応するため、埼玉大学教
育学部(渋谷治美学部長)は21日、来年度から学部全体を教員養成に特化さ
せる改変計画を発表した。卒業に教員免許取得を必要としない2課程を廃止し
て「養護教諭養成課程」を新設し、教員養成課程の定員を410人から458
人に増やす。

 同学部によると、改変後の新カリキュラムでは、専門科目の必要単位数を倍
増させる一方、介護体験実習なども取り入れて、高い専門性を持ちながらさま
ざまな教育課題に対応できる教員の養成を目指す。また、教育現場と密着する
ため、現役の校長や県教委職員を教授に招くなど、県教委や同市教委との人事
交流を進める。廃止する「生涯学習課程」など2課程を履修している学生につ
いては、卒業まで現行カリキュラムを保障するという。

 同学部によると、全国的に教員の高齢化や少人数教育の拡大が進み、東京都
や大阪府などの都市部では、教員の大量採用傾向が続いているという。04年
度の県の教員募集人数は890人で、97年度(160人)の5倍以上に増え
た。さいたま市教委も教員の退職者見込み数は増加傾向という。

 同学部は「大学の生き残りのためだけでなく、地域の教育ニーズに応じるた
め質の高い教員を養成したい」と話している。【斎藤広子】