|
『河北新報』2005年7月21日付 東北大多元研、大阪大と連携 材料系と医療系融合 大学の壁を超えて新技術の開発を進めるため、東北大多元物質科学研究所 (仙台市青葉区)と大阪大産業科学研究所(大阪府茨木市)は本年度、共同プ ロジェクト「新産業創造物質基盤技術研究センター」を始動させた。2009 年度までの5カ年間で、光エレクトロニクスやナノ医療など高いニーズが見込 める研究に集中して取り組む。大学の研究機関を挙げた連携は全国でも珍しい。 研究者計約20人が参加。互いの研究室を行き来しながら、多元研が得意と する材料系と産研が力を入れているバイオ・医療系を融合させ、二つのテーマ で研究を進める。 多元研が主導する「材料基盤研究」では、高性能の光エレクトロニクス材料 の開発などを目指す。「安全・安心ヒューマンインターフェース研究」は、薬 成分を直径数百ナノメートル(ナノは10億分の1)のカプセルにして投与、 患部に届けるドラッグデリバリーなどを研究する。 両研究所は以前から、一部の研究者が共同研究に取り組んできた。昨春の国 立大法人化に伴い大学間競争が激化していることから、異分野の研究機関の連 携により技術開発のテンポを速めようと、新たなプロジェクトに乗り出した。 多元研の中西八郎所長は「センターは法人化後の大学連携のモデルとなる試 みだ。互いの得意分野を生かし、社会還元を進めていきたい」と話している。 |