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新首都圏ネットワーク

『神戸新聞』2005年7月23日付

県外3都市で初の出張入試説明会 神戸大


 少子化に伴い大学間の競争が激しくなる中、神戸大学は八月から、受験生向
けの出張説明会を初めて東京など県外の三都市で開く。二〇〇四年春の国立大
学法人化に伴い、学生獲得の自主努力が求められるようになったことから企画
した。国立大が全国規模でPRを展開する動きはまだ珍しい。

 神戸大の説明会は八―十月、名古屋市、東京都、広島市の順で開催。西田修
身副学長や入試担当者らが、各学部で学べる内容、入試の特徴、学生生活や就
職の支援体制などを説明し、個別相談にも応じる。

 同大は、入学者の八割近くが大阪府など近畿圏の出身。従来、大学に足を運
んでもらうオープンキャンパスや、大手予備校主催の合同説明会がPRの場だっ
たが、約三年前から、より広いアピール策を検討。昨年、福岡市で試験的な説
明会を開き、今年の三都市開催に踏み切った。

 近隣の国立大では、京都大はオープンキャンパスのみ。大阪大は十年前に岡
山県などで説明会を開いたが、参加者が少なく、その後は要請があれば学部単
位などで説明に出向く形をとっている。

 一方、「大学全入時代」を前に厳しい競争にさらされている私立大は、PR
展開で国立大の先を行く。関西学院大(西宮市)は数年前から、東京や名古屋、
仙台などで説明会を開催。甲南大(神戸市)は、東京や四国で他大学と合同説
明会を開いており、今回の神戸大の試みについて「学生獲得につなげるには、
大学の『売り物』を明確にすることが大事」と“アドバイス”している。

 神戸大の説明会については、同大入試課TEL078・803・5230

(宮本万里子)