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新首都圏ネットワーク

『読売新聞』2005年7月20日付

東京医大・心臓外科、国立大教授が異例の兼任


 東京医科大病院(東京都新宿区)第2外科の心臓外科医(45)が担当した
手術で患者4人が相次いで死亡した医療ミスを教訓に、同大は第2外科を分離
して新設する心臓外科の教授を、金沢大大学院の渡辺剛教授(46)=心肺・
総合外科=に兼任してもらう人事を決めた。

 助教授以下数人の手術スタッフも渡辺教授のチームから迎える予定で、20
日午後開かれる東京医大の教授会の承認などを経て、9月から心臓手術を再開
する。

 国立大の法人化で教職員の兼職制限が撤廃されたため実現したもので、厚生
労働省や文部科学省によると、国立大教授が私立大教授を兼任し、日常的に手
術を行う体制は極めて異例。

 東京医大などによると、渡辺教授は、外来を除く臨床を専門に担当し、週2
日、東京医大病院で手術を行う。手術1件につき、診療報酬上の手術手技料の
25%を渡辺教授が受け取る歩合制で、こうした臨床専門の勤務医の雇用形態
について、厚労、文科両省は「聞いたことがない」としている。渡辺教授は国
内だけで約2000例を執刀し、国内有数の心臓外科医とされている。

 東京医大病院は、外部調査委員会(委員長・古瀬彰JR東京総合病院名誉院
長)が一連の医療ミスの調査結果を発表した後、心臓外科と血管外科の分離を
発表していた。