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新首都圏ネットワーク

『建通新聞』東京 2005年7月14日付

年間90万平方メートル目標に国立大学の老朽施設再生整備 文科省


 文部科学省の有識者会議が、今後の国立大学の施設整備の在り方に関する中
間報告をまとめた。老朽施設の改善整備をめぐっては、年間90万平方メートル
という整備目標を提示。特に耐震性などに問題のある施設の再生を最優先課題
と位置付けて改善を図るよう求めた。施設マネジメントやPFIなどの積極的
な導入も必要とした。本年度中に最終報告をまとめ、18年度以降の「国立大学
等施設緊急整備5カ年計画」に反映させていく方針。

 中間報告では、17年度までの緊急整備5カ年計画の達成状況などを検証した
上で、今後の施設整備の在り方を展望。目標の5割程度の達成にとどまった老
朽施設の改善整備については、今後15年をめどに老朽施設(経年25年の未改修
施設)の再生を図るために必要な事業量を試算し、年間90万平方メートルの再
生整備が必要とする考えを打ち出した。

 また、厳しい財政状況の中で、国の施設費が限られている状況を踏まえ、施
設の適切な維持管理を実施する施設マネジメント、民間資金を活用したPFI
などを導入して、効率的な施設整備を進めていく必要性を指摘。

 施設整備事業の採択に当たっては、施設マネジメントや新たな整備手法など
の取り組みを評価することも求めた。

 中間報告は学識者らで構成する「今後の国立大学等施設の整備充実に関する
調査研究協力者会議」が16年11月から5回の議論を重ねてまとめた。最終報告
は、内閣府で検討を進めている「第三期科学技術基本計画」と整合を図りなが
ら策定する。