トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

『北海道新聞』2005年7月13日付

就職戦線突破へ 樽商大、今年から新対策


 国立大法人化に伴い小樽商大に就職課ができて2年目。今年から、人気の公
務員試験突破に特化した実用的な講座や、学生の個別情報を“就職カルテ”と
してデータベース化するなど、これまでなかった就職対策に乗り出している。

 10月から週1回、札幌サテライトで開講する「公務員受験対策講座」は、
従来のアカデミックな面ではなく、受験テクニック習得が目的。国家試験や道
庁、札幌市役所など公務員試験の突破を目標に据える。

 受験のための講座を国立大学に設置するのには反対論もあるため、有料の課
外講座として導入する。専門学校から専任講師を招き、2年生対象の15カ月
コース(10万円)、3年生対象の6カ月コース(5万円)を設置。「専門学
校の半額以下の受講料で内容は同水準以上」(同大就職課)という。

 卒業生約500人の就職率は95%を超す同大だが、かならずしも希望通り
ではないといい、志望者が多い公務員試験合格者は例年30人前後。合格者を
増やして特色を出したいところだ。

 一方、学生の“就職カルテ”は、就職課に相談に来ない学生に大学側から働
き掛けるための基礎資料として作成を進めている。最大の狙いはフリーターや、
学校に所属せず、職にも就かず、就職活動もしないニート、その予備軍を出さ
ないこと。きめ細かな支援ができるよう希望職種や成績はもちろん、出身地、
学内での活動、趣味などを網羅する。

 現在は4年生の情報を整理している段階だが、同課は「将来は、就職後に万
一離職した場合の相談受け付けや、就職したOBの情報活用などもできる形に
したい」と話している。(寺林正郁)