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『陸奥新報』2005年7月12日付 弘大付属病院、当直医師の自宅待機採用 19診療科に導入 弘前大学付属病院(棟方昭博院長)が今月から当直体制を変え、医師を自宅 に待機させて呼び出す「オンコール方式」を取り入れた。法人化に伴い、医師 の勤務時間を労働基準法の規定範囲内に収める必要に迫られたための対応策で、 病院側は救急部で待機する医師を増やし、初期治療の対応に当たっている。病 院側は「新方式は順調。将来はできるだけ医師の負担を軽減する体制にしてい きたい」としている。 付属病院ではこれまで、夜間や休日に各診療科の医師が院内に待機。医師数 の少なさから、夜間当直や休日の日直がかなりの頻度で各医師に割り当てられ、 労働基準法で定める勤務時間を大幅に超える体制だった。 法人化後に適用された労働基準法は、医師一人の当直を一週間に一回、日直 を一カ月に一回と規定。しかし患者の多い平日に医師を休みにすると、各科の 持つ診療体制を発揮できないためオンコール方式を導入した。 現在は二十二診療科のうち十九診療科が新方式を採用。救急部は待機する医 師を一人増の二人とし、専門の医師が駆け付けるまでをバックアップする。ま た集中治療室(ICU)は今まで通り二十四時間体制で、小児科と産科では二 人の医師が常に交代で待機。緊急時にこれらの医師もすぐ集められるように、 内線を院内放送に切り替えるシステムを取り入れた。 病院では当直医師に支払う手当がかなりの額となっているが、自宅待機の医 師に支払う賃金を院内待機や呼び出された場合より安くし、忙しい診療科に対 する補償を重視していく。 オンコール式の導入に佐藤洋正総務課長は「現在までに不都合は出ていない。 新体制なので改善点が今後出るかもしれないが、その場合はきちんと対応する」 と話した。 |