トップへ戻る  以前の記事は、こちらの更新記事履歴
新首都圏ネットワーク

『四国新聞』2005年7月8日付

投票で最多得票−香川大学長に一井氏


 香川大は七日、木村好次学長(69)の任期満了に伴い次期学長を決める
「学長選考会議」を開催。五人の候補者から、学内投票で最多得票を獲得した
農学部長の一井真比古氏(60)を選出した。同日、高松市幸町の同大で会見
した一井氏は、「個性豊かで光り輝く大学を目指し、教育と研究の充実による
地域貢献に努めたい」と抱負を語った。任期は十月一日から四年間。

 学長選考に関して、同大は学内投票の結果をはじめ、一井氏の選出に至った
具体的な過程をすべて非公表としたが、大学関係者によると、一井氏が選考の
重要な資料となる投票で過半数近くを得票、これまでの研究活動や農学部改革
の成果なども評価を受け、全会一致で選ばれたという。

 同大は法人化後初の学長選となる今回から、選考方式を変更。従来の学内投
票結果に加え、各候補者への面接、所信表明の内容などを総合的に評価し、学
部長や経済界の有識者ら学内外の委員十四人で構成する「学長選考会議」が決
定した。

 学長選では、一井農学部長のほか、石川浩名誉教授(63)、高津義典理事
(64)、竹内博明副学長(63)、芳沢宅実副学長(62)の五氏が立候補。
一日に講師以上の教員と課長級以上の事務職員を対象に投票が行われた。

 大学関係者の話を総合すると、投票資格者は五百十七人、投票数は四百十一
票(投票率は79・5%)。一井氏は農学部を中心に各学部から幅広い支持を
受け、有効投票数の45%を獲得。二位の石川氏(19%)、三位の竹内氏
(18%)らを、大きく引き離した。

 投票結果は参考資料だが、学長選考会議は「学内投票の結果は尊重する」と
申し合わせており、教職員から圧倒的な支持を得たことを重視。希少糖などの
糖質バイオを香川大発の先端研究に育て、来年度からの農学部改編を先導した
ことなどを高く評価し、次期学長に選んだとみられる。

 一井 真比古氏(いちい・まさひこ)一九七〇年京都大大学院農学研究科修
士課程修了。七三年香川大農学部助手となり、助教授を経て八八年から教授、
二〇〇一年四月に農学部長に就任し、現在二期目。専門は植物育種学。日本育
種学会、アジア太平洋育種学会などに所属。兵庫県出身。