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『山陰中央新報』2005年7月7日付 島根大が「キャンパスミュージアム」構想 島根大学は、大学所蔵の資料や研究成果などの知的財産を管理し、一般公開 する「島根大学キャンパスミュージアム」の来春開設を目指し、このほど設置 検討委員会を立ち上げた。研究室や付属施設など、大学をまるごと「博物館」 にする構想で、中四国の大学では初めての試みという。大学に眠る知的財産を 活用して情報発信することで、大学の個性化と開かれた大学づくりを目指す。 同大は、大学経営の重要な柱として、発明など研究成果の特許取得など、知 的財産活用の取り組みを進めている。一方、大学が所蔵する膨大な考古資料や 標本、文献などの知的財産を管理する仕組みがなく、各学部や研究者でバラバ ラに保管し、貴重な資料が十分に活用されてこなかった。 構想では、これらの眠れる資料、研究成果をトータルで管理。学内にある埋 蔵文化財調査研究センターをキャンパスミュージアムの核施設にして、研究室 や図書館、演習林などの付属施設をつなぎ、資料の収集、管理、調査から、展 示、データベースの構築を目指す。併せて大学の教育・研究成果の情報発信を 目指す。 また、地域住民を対象にしたキャンパスツアーや、学会で発表した研究成果 の速報、注目される研究成果や試作品の展示なども考えている。 学術研究担当の高安克巳副学長は「大学教員が研究成果を大切にし、地域の 人にも大学の研究に魅力、親しみを感じてもらえるような取り組みにしたい」 と話している。 同大の付属図書館には、江戸時代に神門郡萩栃村(現出雲市萩栃町)の医師 西山砂保がシーボルトから授与された医師免許状や、小泉八雲が親交のあった 松江中学校の教頭、西田千太郎氏にあてた自筆書簡四十五通などの貴重な資料 が保管されている。 |